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【NHK受信料問題】最高裁「受信料契約義務は合憲」の初判断

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こんにちはチエノキです。

 

本日12月6日、最高裁が初めて「受信契約を義務付けた放送法は合憲(違法性はない)」と判断しました。


「やっぱりね。」という結果でしたが、100%NHKの勝利、というわけでもありませんでした。


今回のことで何が変わるのか?裁判結果を振り返りたいと思います。

 

「えっ?何があったの?」という方は先ずはこちらの記事から。


<目次>

 

今回の争点ポイント

今回の裁判が注目されたのは、以下の3つのポイントがあったからです。

 

1.受信契約の締結を義務とする放送法は違法じゃないのか?

2.契約成立となるのはいつからか?

3.支払期間はいつからか?

 

1つずつ見ていきましょう。

 

1.受信契約義務

NHKの主張:合憲

男性の主張:違憲

最高裁の判断:合憲

 

先ず、受信契約の締結を義務とする放送法は違法じゃないのか?ですが、最高裁は「公平に受信料を徴収するために必要だから憲法には違反しないよ」と判断しました。

 

放送法が正しいのか?と法の正しさについて、初めて判断がされたため注目を集めました。


すごいですよね、法が正しいか法によって、法の番人が判断するんですから。


「人民の人民による・・・」のリンカーンを思い出しますね。

はい、どうでも良いですね。

 

まぁ、これが「合憲」になるのはしょうがないですね。

これが「違憲」ってなると、NHKの仕組み自体が破綻しちゃうので。

 

問題なのは次の2つです。

 

2.契約成立の時期

NHKの主張:契約申し込み通知時点

男性の主張:契約を承諾しサインしたら

最高裁の判断:どっちでもねぇ

 

これは、まずNHKがとんでもな主張をしていました。

これ、もしNHKの主張が通っていたらこんな未来でした。

 

ピンポーン

NHK「こんにちはNHKです。TVはありますか?」

住人「ありますが、契約はしません!」

NHK「TVがあるんですね?受信契約をお願いします」

→契約成立

 

横暴かよっ。


あるわけがない。これが認められたら双方の合意によって成立する「契約」とは何か、の議論をしなくちゃいけない。


さすがにこれは最高裁も主張を認めず、最終的に以下の判断がなされました。

 

「裁判で契約の承諾を命じる判決が確定した時点」

 

裁判官はいつも難しい言葉を使う・・・。

つまり、NHKが未払いの人を訴訟する(裁判をおこす)→NHKが勝利し、判決で裁判所から契約しなさいと言われた、この時点で契約が成立します。


ですが、今回の判例があるため、訴訟された時点で100%NHKの勝訴です。

(まぁ今までもそうでしたけど。)

 

これは完全な逃げですね。

両者の間をとったよ、的な。

 

一見、NHKが有利に見えますが、現実的には900万世帯ある未払い世帯に対し、1つづつ訴訟し、裁判をして、判決まで至らないといけません。

 

NHKが徴収率100%にするためには、

900万回の裁判をする必要があります。

 

できるわけがないっ。

結果、現状維持ですね。今回の判決を受けても徴収率が劇的な改善をすることはないでしょう。

 

もしNHKが1年に1人訴訟を起こしたとすると、その年1/900万に当選したことなります。

ジャンボ宝くじの1等の確率は1/1000万らしいです。

もし訴訟されたら、宝くじを買いましょう。

 

3.支払期間

NHKの主張:TV設置時点まで遡って徴収

男性の主張:裁判で契約が成立してから

最高裁の判断:TV設置時点まで遡って徴収

 

やってしまいました。今回これが未払いの方にとっては致命傷です。


裁判官達の言い分はこうでした。

「だって、過去の分を帳消しにしたら、ちゃんと払っている人との間に不公平がうまれるじゃん。」


そうですね。逃げ得になるから言い分はわかります。

 

ですが、仮に、仮にですよ?

未払いの80歳のおじいちゃんがいたとしますよ?


「30歳でTVを設置した」となった場合、50年分の徴収です。


地上放送の契約だとして、理論上、

2520円(2ヶ月分)×6(回)×50(年)=756,000円ですよ?

※遅延金などがある場合はもっと多額になります。

 

日本のおじいちゃんは払えるのでしょうか?

今までは、「過去5年分までしか遡れない」だったので、MAX7~8万でしたが、今回の判決で上限解放となりました。

 

まとめ

・契約受信義務は合憲。

・NHKが受信料100%徴収を実現するためには900万回の裁判が必要。

・支払義務はMAX5年分→TV設置時点から全額、に変更。

 

今回の裁判の結果をうけても、徴収率は劇的に向上しないとみています。

 

公共放送が適正に運用され、適正な金額で、国民が心から納得し、双方で支えあえる結果を期待していましたが、今回の裁判では、その辺の議論はなし。

残念な裁判でした。

 

また、NHKはグループ合わせて1000億円の剰余金があり、現時点でも利益がでています。WOWOW並みの月額料金を全国民から徴収しようとしているのですから、まぁそうなりますよね。

 

月額料金を下げて、今まで真面目に払ってきた方には支払期間に対して、還元する、くらいすれば国民も納得すると思うのですけど。


NHKは、今後その潤沢な資金を使用し、4K・8Kの超高画質な電波を届けることを考えているそうです。

 

NHKよ、国民の声を聴けっ!

 

以上です。

 

※本記事は、受信料の不払を助長する目的で書いた記事ではありません。