「ねぇねぇ10円頂戴。」
友達A「ねぇねぇ10円頂戴。」
俺「10円?・・いいけど、ちょっと待って。」
高校時代の放課後、部活終わりに教室に戻り、帰り支度をしていると友達の2人組が、そう話しかけてきた。
ごそごそと財布をカバンから取り出す仕草を、キラキラした目で見つめている。
なんだか怪しげな空気を感じなからも、カバンから財布を取り出し10円を差し出す。
俺「はい10円。」
友達A&B「やったぁぁぁぁぁ。」
なぜか、10円でめちゃくちゃはしゃぐ2人組。
状況を飲み込めない私。
(10円でなんでそこまで・・・)
友達A「20人目達成ぇぇぇ!!」
俺「ファッ!?(゚Д゜」
友達Bの手の中にはじゃらじゃらと大量の10円玉。
俺「えっ?どーゆーこと?」
友達B「100円はくれないけど、みんな10円ならくれるの。」
おいおい天才かよっ
高校生ならではの柔軟な発想力。
10円というぎりぎりの設定金額。
恐らく50円という設定であれば彼女たちは失敗していただろう。
貰うもの貰ったら次のターゲットを探しに違うクラスへと彼女たちは颯爽と消えていった。
結局300円越えを果たしたらしい。
ふと思い出した高校時代の思い出。
おしまいっ